日本の文化

 外国人向けのページになります。翻訳するための日本語のページです。
 
 日本では外国人観光客が増加しており、文化の違いによるトラブルも発生しています。
 ここに日本の文化、法律、マナー違反の現状などを紹介しますので、「文化の違い」によるトラブルなどを回避していけることを願っています。

 このマークは、外国人観光客のマナー違反で困っている項目。知らないとトラブルに巻き込まれてもおかしくない重要な項目を意味しますので、お読みください。その他は「日本に行って自分の目で色々発見したい」という楽しみをとっておきたい人は読まなくてもいい項目です。

(日本語のページのみに表示)
 一部の「外国人観光客のマナー」が問題となっていますが、日本と外国ではそもそも違うんだ、ということをこのページで知っていただければ幸いです。
 逆に我々には常識でも、世界的には非常識なこともたくさんあります。日本も過去に、農協の団体旅行者が「旅の恥はかき捨て」で海外から批判を受けてきました。日本人も海外でいろいろやってきたのです。お互い様だと思いましょう。そうすれば、心が和らぎます。
 もし外国の人が日本のマナー違反をしていたら「日本ではこうなんですよ」と、教えてあげてください。それも一つの、情報のお接待です。



 ・靴を履いたまま廊下や部屋を歩かない
 ・日本のトイレ
 ・ゴミを放置しないこと
 ・護身具としてのナイフ
 ・マリファナの持ち込み禁止

 ・すみません
 ・あいづち
 ・正座

 ・旅館や民宿
 ・入浴の仕方
 ・予約のキャンセル
 ・タクシーの乗り方
 ・バスの乗り方

 ・「何も言われない=やってもいい」ことではない
 ・会計前の商品を食べない
 ・お店でお金を支払う時
 ・チップ
 ・歩きながらものを食べない
 ・うどんやそばなどを音を立てて食べる

 ・マスク
 ・鼻をすする
 ・くしゃみや咳
 ・喫煙

 ・写真撮影
 ・ドローンを飛ばさない
 ・お寺のマークについて
 ・災害発生時のコメントについて
 ・地震

 ・宿の電話予約



靴を履いたまま廊下や部屋を歩かない

 日本では屋内で靴を脱ぐ習慣があります。特に畳があるところだと、靴を脱ぎます。
 靴を脱ぐ場所にはだいたいスリッパが置いてありますので、スリッパに履き替えて廊下を歩いてください。そして畳にはスリッパで上がらないでください。
 また、トイレにも別のスリッパが置いてあることがあります。このような場所では、廊下用のスリッパを脱いで、トイレ用のスリッパでトイレに入ってください。そして、トイレのスリッパで廊下を歩いたり部屋に上がることだけは絶対にしないでください。
 日本では家や旅館だけではなく、お寺や一部のレストランなどでも靴を脱ぎますので、注意してください。
 ヨーロッパなどでは床に落ちたものは不潔なものとしていますが、上記より日本では床はある程度綺麗なものと認識しています。そのため、畳の上に寝そべったり、布団を敷いて寝ます。

 [ Japan Travel Magazine ]
2016.05



日本のトイレ

最新トイレの動画

著作:スティーブ的視点

 日本のトイレットペーパーは水にゆっくり溶けますので、使ったトイレットペーパーは便器に流してください。また、溶けるトイレットペーパーが珍しくて持っていく人がいるのですが、それは泥棒ですのでやめてください。
 トイレに汚物入れがあれば、それは生理用品などを捨てるところです。
2016.05



ゴミを放置しないこと

 世界には「ゴミは清掃員が掃除するもの」として電車や公園でゴミを放置していくのが当たり前の国がありますが、日本ではこれは(廃棄物の処理及び清掃に関する法律)違反となります。
 外国人も、通報されたら警察に捕まります。最悪だと5年の懲役。もしくは1000万円の罰金です。
 日本では不法投棄が問題となっています。それは産業廃棄物だけの話ではありません。平気で空き缶やペットボトル、タバコの吸い殻などを放置する日本人が増えており、ゴミを放置する人たちへの対応が厳しくなっています。

 ゴミは道や公園などに放置せず、決められた場所に捨ててください。
 これは「マナーを守りましょう」というレベルの話ではありません。法律を守る話です。
2016.05



護身具としてのナイフ

 日本では護身用の銃、ナイフ、ハサミなどの携帯は禁止されています。持っていたら警察に逮捕されます。
 キャンプで使うナイフも、持っているだけで警察に逮捕された人がいますのでご注意ください。

 [ キャンプをする際の注意 ]
2016.05



マリファナの持ち込み禁止

 マリファナ(大麻)は、日本では持っているだけで逮捕されます。栽培するのも使うのも違法です。
 (スペイン、ベルギー、オランダ、ポルトガル、アメリカなどは合法)
 その他、日本に持ち込めないものは[ 税関のホームページ ]を参照してください。
2016.05



すみません

 日本ではよく「すみません」という言葉を耳にします。これは「sorry」という意味で使う時もあり、「thank you」という意味で使う時もあり、「Excuse me」という意味の時もあり、「I'm afraid」という意味の時もあります。発音も全て同じですから、日本初心者のかたにとっては、わけがわからないと思います。

 しかし、逆に考えれば「すみません」という日本語を覚えるだけで意味が通じるわけです。
 「下手に謝って責任を追求されたらどうするんだ?」と心配されるかたもいると思いますが、日本では素直に謝った方がトラブルになりません。相手の足を間違えて踏んだ時も、すぐに「すみません」と言いましょう。
 ただ、「ごめんなさい」「申しわけありません」の方が、謝罪の言葉としては丁寧で相手も怒りにくいです。感謝の言葉なら、「ありがとうございます」の方が、はっきり伝わります。
2016.05



あいづち

 人の話を聞いている時、日本人はうなずいたり、「うん」「はい」など、いちいち返答してきますが、これはあなたの話を邪魔しているわけではありません。
 これは「あいづち」と言って、「あなたの話を聞いています」というサインですので、不快にならないでください。

日本では、あいづちをするロボットすら存在します。

様々なアンドロイドは東京の[ 日本科学未来館 ]で見られます。
2016.05



正座

 お寺でお坊さんの話を聞くなど、座布団が用意されているようなところだと正座をすることになると思います。ただしこれは、足の血流が悪くなるため、30分も正座していたら顔が青くなり、汗が出てくるほど辛いですので、一般的に「足を崩してください」とお坊さんは言うでしょう。そのときは正座は中止してください。
 旅館や民宿にも座布団がありますが、そこはくつろぐところですので、正座をする必要はありません。正座は神様や仏様の前や、偉い人の話を聞く時、改まった所でするだけで、日本人も毎日正座をしている人は少ないです。
2016.05



旅館や民宿

 日本ではチップの習慣がありませんのでご注意ください。[ チップについて ]

 宿によっては部屋の鍵がない場所があります。力を入れて開ければ解除できるような簡単な鍵の部屋も珍しくありません。そのような場合、貴重品は部屋にある金庫に入れるか、金庫がなければ宿に預かってもらうか、風呂の時もビニルなどに入れて持ち歩きます。
 善根宿や通夜堂などでしたら、管理者に「あなたの貴重品を守るという仕事」を押し付けるわけにはいきませんので、貴重品は常に持ち歩いてください。

 ホテルにはベッドがありますが、旅館や民宿などは布団です。旅館は布団をセッティングしてくれますが、それ以外は自分でセッティングすることがほとんどです。
 布団のセッティングは埃が舞うので、ご飯が提供されている時にはやめてください。
 布団のセッティングは「こうしないと宿に叱られる」というわけではありませんので、下の動画は参考程度にご覧ください。布団に入った時に重いと感じたら、おそらくそれは敷布団と掛け布団が逆です。


著作:黒川温泉 旅館 南城苑

 旅館や民宿では、だいたい和食が出ますが、朝食に味噌汁が出ることがあります。味噌汁はすぐに味噌が沈殿するため、飲む直前にかき混ぜる必要があります。そうしないと最初は味が薄いのに、いきなり濃い味になり、あなたは顔をしかめることになります。

 冬には「こたつ」が用意されていることがあります。「こたつ」は、部屋全体を暖めるよりも少ないエネルギーで済むのでエコロジーな暖房器具ですが、「こたつ」で寝ると汗をかいて風邪をひくので注意してください。
2016.05



入浴のしかた

 小さな旅館や民宿の場合、シャワールームは部屋ごとに付いていません。風呂は共用になり、順番で呼ばれますが、あなたが生理中や腹痛の場合は、入浴できないことを宿の人に伝えておいてください。

1. 入浴の前にトイレに行っておきましょう。浴室での排尿は厳禁です。浴室では歯磨きもしないでください。化粧をしているのであれば、化粧は落としておいてください。
 また、入浴前にコップ1杯程度の水を飲んでください。入浴すると500mL以上発汗し、脱水傾向となります。脱水になると急に立ち上がった時に血圧が下がり、めまいがして浴室で倒れる人もいるので注意してください。

2. 浴室の前には更衣室があり、そこで服を脱ぎます。服はカゴに入れてください。カゴがない場所だと、おそらくロッカーがあると思いますので、服を入れてロッカーの鍵は手首に装着してください。

3. 浴槽のお湯はみんなで使いますので、浴槽のお湯を汚さないでください。そのため、浴槽に入る前に体や髪を洗います。

 タオルで石鹸を泡立てて体を洗う人がいますので、日本ではタオルも汚れているものと認識します。そのため、浴槽の中にタオルを入れないでください。
 あなたの髪が浴槽に入るほど長いのであれば、頭にタオルを巻いたりして、髪が浴槽に入らないようにしましょう。

4. 体を洗い終わったら浴槽に浸かりますが、高血圧や心臓病の人は、循環器に負荷がかかりますのでシャワーのみのほうがいいかもしれません。また、入浴するにはある程度の体力が必要です。本当に疲れている場合は、シャワーのみにしてください。

 お湯の温度は決まってはいませんが、だいたい42度(107‎ºF)くらいが多いのではないでしょうか。宿によっては、とんでもなく熱くて入れない場合がありますが、浴槽が小さくて水を入れればすぐに温度が下がりそうであれば、温度を下げてもいいと思います。(銭湯や温泉などでは、自分で温度を調節してはいけません) しかし、日本人のほとんどは熱いのが好きですので、あなたが風呂を出る時には、次の人のために元の温度にしておくのはマナーです。
 浴槽が大きくて、水を入れてもとても温度が下がりそうでなければ、浴槽に入らないでシャワーだけで浴室を出るのも手だと思います。

 医学的には、お湯の温度は40度(104ºF)以下で、入浴時間は15分以内が理想です。そうでなければ脱水が進み、危険です。呼吸器疾患や糖尿病を持っている人も、低めの温度がいいです。実際、日本では年に14,000人ほど、入浴中に亡くなっています。原因は心疾患、脳血管障害、溺死などです。お遍路中だと疲れているので、入浴中に眠たくなってくることがあるかもしれませんが、風呂の中で眠って溺死することは珍しいことではありませんので、注意してください。

5. 次の人も待っていますので、入浴は30分以内で済ませましょう。
 入浴後は脱水が進んでいますので、急に立ち上がらないでください。
 浴槽のお湯は捨てないでください。次の人が使います。

6. そのまま脱衣場に戻ると脱衣場がたくさん濡れてしまいますので、持っているタオルで、ある程度体についている水分を拭き取ってください。

その他
 日本は刺青に対して厳しい国です。刺青が入っている人は公衆浴場に入れません。刺青を見ると不快になる日本人が多いためです。小さな旅館やへんろ宿、民宿の風呂やシャワールームは一人で入ることが多いので、問題なく入れると思います。ホテルも基本的に部屋にシャワールームがありますので、問題ありません。
 大きな旅館だと大浴場に複数人が入ることになりますので、入浴は難しいかもしれません。

 日本では夜に風呂に入るのが一般的です。朝にシャワーができる旅館や民宿は、ほとんどないと思ってください。

 その他、宿によってルールがあると思いますので、そのルールに従ってください。

入浴の心得 ぽかなび.jp マナー向上委員会監修
2016.05



タクシーの乗り方

 YouTube

 タクシー料金 [ 徳島県 ]  [ 高知県 ]  [ 愛媛県 ]  [ 香川県 ]

 ※ほとんどのタクシーでクレジットカードが使えます。
 ※徳島だと10kmで2700円程度の料金。タクシーには乗客は最大4人乗れるので、4人で割れば675円。
2016.05



バスの乗り方

 YouTube  YouTube

 ※一部のバス会社では、[ 日本専用の電子マネー ]が使えます。電子マネーのICカードは、関西国際空港の駅でも購入できます。[ YouTube ]
 ※クレジットカードが使えるバスはなく、支払いは現金です。
2016.05



予約のキャンセル

 国によっては「行かないことがキャンセルの意思」「キャンセルの連絡を入れないのが常識」という国もあるようですが、日本はそうではありません。
 理由があってキャンセルをすることは仕方がないことですが、キャンセルの連絡を入れないことは「約束を破った」としか受け取りません。日本人は、約束を破ることを非常に嫌います。

 予約をキャンセルする際には必ず、できるだけ早く連絡をしてください。

 特に遍路宿では、あなたが途中で遭難して連絡がこないのか、非常に心配します。また、食事の予約があれば食材を買い、料理をして風呂を沸かしてあなたを待っています。それなのに時間になっても来ないというのは、時間とお金の損失です。そして「外国人観光客はマナーが悪い」と、日本人に植え付けることになります。
 「他のお客がいるから無駄にならないでしょ」と思うかもしれませんが、遍路宿は「今日、お客様はあなた一人です」なんてことは珍しくありません。

 逆に、予約をしないで夜に「今日、泊まれますか?」と宿を訪ねる外国人が多く、困っています。[ 日本人に電話予約を頼むページ ]を用意していますので、事前に予約をしてください。
 しかし予約をする際には、必ず行けるという自信があって初めて予約をしてください。「行けるかどうかわからないけどとりあえず」ということは、しないでください。

 そこが歩き遍路の難しいところです。

2016.05



「何も言われない=やってもいい」ことではない

 日本は「言わなくてもわかりなさい」という文化です。店員や職員、警備員や警察は仕事なので注意しますが、普通に歩いている日本人は、何も言ってこないのが普通です。
 例えば、あなたが立ち入り禁止の場所に知らないで入り込んでも、注意をしてくる日本人はまずいないと思います。それはあなたを許しているのではなく、無視や軽蔑しているだけでしょう。そして「外国人はマナーを守らない」と、どんどん日本人に思われていき、外国人観光客の評判が悪くなっていきます。
 「ダメなら教えてくれよ」と思うでしょうが、今の日本人は、ほとんど注意しません。
 また、上記のように人を注意することが少ないので日本人の中には注意されることになれておらず、注意されたことに腹を立てて刺し殺すという事件も発生していますので、ますます日本人は人を注意しません。
 日本人は温和だ。と、思っているかもしれませんが、怒らせると自分でも制御できない人がいるので、気をつけてください。
2016.05



会計前の商品を食べない

 日本では、商品の代金をレジで支払った時に、その商品はあなたのものになります。(民法573条)
 日本では万引きが問題となっています。万引き犯は商品をポケットやカバンに入れて無断で店を出て行きます。そして彼らが捕まった時に言うセリフが「買うつもりだった」です。このような人が多いため、「買うつもりだから食べた」という理由は一切通用しません。

 料金を支払う前の試食も認められていません。買う前の商品はあなたのものではなく、お店のものだからです。「気に入ったら買うつもり」も、通用しません。
 包装されていない食品を素手で触ったり、柔らかい商品を押してへこませたりしても「商品の価値を下げた」として賠償させられても文句は言えませんのでご注意ください。
 まだ購入していない商品の包装を破ることも、禁止です。

 ちなみに、万引きとみなされた場合、窃盗罪(刑法235条、10年以下の懲役または50万円以下の罰金)が適用されますし、その他に損害賠償も発生します。
2016.05



お店でお金を支払う時

 日本ではお店でお金を支払う時に手渡しはあまりしません。
 日本ではトレイ(正式名:カルトン)にお金を乗せます。そしてお釣りや領収書もトレイに乗って返ってきます。高級なお店ほど、トレイを使います。
 トレイに乗せると小銭が落ちにくいのと、勘定がしやすい。お金がトレイに乗っている方が(日本人には)丁寧に感じられる。また、日本人はむやみに他人に触れるのを好みませんので、お客様にむやみに触らないようにするためだと言われています。
 これは江戸時代(西暦1600年ほど)からの風習です。
2016.05



チップ

 日本ではチップを渡すことが失礼になる場合があります。
 また、会社やお店のルールでも、お客様から代金以外のお金をもらうことを禁止しているところもありますし、風習そのものがないため、チップを渡された方もびっくりします。まぁ、外国人から手渡されれば「あぁ、外国人だからね」と思うかもしれませんが、普通の日本人なら受け取らないと思います。
 日本では一般的に目上の人が目下の人にお金を渡します。そのため、あなたが「ありがとうございます」という気持ちを込めてお金を渡そうとしても、日本人には「私はあなたより目上の人間だ」という感じがして不愉快にさせる場合もありますので、日本人にはチップは渡さない方がいいと思います。
 きちんと代金を支払うだけで十分です。
2016.05



歩きながらものを食べない

 アイスクリームは舐めながら歩く人は多いですが、それ以外のものは、歩きながら食べていると「行儀が悪い」と嫌がられます。
2016.05



うどんやそばなどを音を立てて食べる

 音を立てなければいけないというマナーではありませんが、たいていの人は音を立てて麺をすすります。すすると汁が飛び散りますので、白い服を着ている人は注意が必要です。
 また、鼻水も出てくるので鼻をすすりながら食べています。
 「最悪の食べ方だ」と呆れるかもしれませんが、日本では普通のことです。
2016.05



マスク

 都市部ではマスクをしている人が多いです。日本人は風邪で38度(100‎ºF)の熱が出ていても普通に会社や学校に行きます。満員電車にも乗りますし、みんなにウィルスを撒き散らす訳にはいきませんので、マスクをするのがマナーです。マスクをしないでくしゃみや咳をしていると、嫌な顔をされます。
 また、日本人は花粉症の人が多いため、花粉を吸わないようにマスクをします。春は花粉がたくさん飛び、目に入って炎症を起こすため、人によってはゴーグルまでかけています。
2016.05



人前で鼻をすする

 「鼻をかめよ」と思われるでしょうが、人前で鼻をかむ方が失礼だと思われることすらあります。
 また、日本人は使い捨てのティッシュペーパーで鼻をかみ、捨てます。ハンカチで鼻をかんでいるところを日本人に見られたら「えっ!」と驚かれることでしょう。
2016.05



くしゃみや咳

 くしゃみや咳をしても、周りの日本人は何も言いません。
 日本でくしゃみをすると、知り合いなら「誰かが噂してんじゃない?」とか「花粉症?」と言われるかでしょう。知り合いでなければ、何も言ってこないのが普通です。
 逆に日本人がくしゃみをした際に"Bless you"と声かけをしても、日本人は何のことだかわからず、「え?」と聞き返すと思います。
2016.05



喫煙

 新幹線には喫煙できる車両がありますが、日本の公共交通機関は、全面禁煙です。
 特に東京などの首都圏では喫煙者に厳しく、指定された場所以外で喫煙をしたり、吸い殻を放置した場合、地域によって違いますが2000円の罰金が取られることがあります。四国では香川県の高松市で2万円以下の罰金となります。
 四国遍路では木造の建物を沢山見ると思います。木造ですから火は大敵です。過去に無料宿でタバコが原因で火事になった事件も発生しています。タバコは指定された場所以外では決して吸わないでください。
2016.05



写真撮影

 日本では電車や駅など、人が多い場所ではセルフィーが禁止されている場所があります。たいていの場合、コンビニやスーパーも店内は撮影禁止です。
 花壇の中に入り込んで花を撮影したり、桜の枝を引っ張って撮影している人も見ますが、やめてください。

 そして日本のお寺では、大切な仏像は撮影禁止になっています。仏像は信仰の対象であって、鑑賞の対象である美術品ではないためです。宗教的にもっと深い意味があるのですが、説明が難しいのです。とにかく、軽々しく撮影してはいけません。
 高野山の奥の院は撮影禁止ですが、外国人観光客がスマホで写真を撮影しており、問題となっています。
 お寺の本尊は、たいていの場合撮影禁止です。フラッシュの有無は関係ありません。もちろん、動画も禁止です。
 納経所で御朱印をいただきますが、その光景を動画で撮影してYouTubeにアップしている外国の方がいらっしゃいます。しかしそれも撮影禁止です。おやめください。
 境内を撮影するのは特に問題はありませんが、人を撮影する時には「撮影してもいいですか?」の一言は必要です。ただし、修行中の僧侶には声かけも記念撮影もご遠慮ください。
2016.05



ドローンを飛ばさない

 日本ではドローン (UAV, Multirotor, multicopter) による事件が多発したため、2015年に飛ばすことが規制されました。
 山奥で人が誰もいない場所でしたら、落下しても人にぶつかる危険性は低いので条件はありますが、届出をしないで飛ばすことは可能です。しかし、お寺などでは人がいますので飛ばすことはできません。お寺の土地は私有地なので、お寺のかたが「いいよ」と言えば大丈夫かといえば、そうでもありません。私有地でも人口が集中している地区の場合、安全対策をした上で国土交通省に許可をもらう必要があります。ルールに違反した場合には、50 万円以下の罰金が課されます。
 いろいろ面倒ですので、日本ではドローンでお寺を撮影するなどの行為はやめてください。

 [ 国土交通省 ] [ 飛行禁止地図 ]
2016.05



お寺のマークについて

 卍(まんじ)は、仏教やヒンドゥー教で用いられる、吉祥の印です。
 ヨーロッパやアメリカの方々からすると、ナチスのマークに酷似しているので不愉快だとは思いますが、仏教では紀元前から使われているマークです。日本では1000年以上前から使われています。
 お寺に行くとこのマークがありますが、びっくりされないでください。
2016.05



災害発生時のコメントについて

 私の外国人の友人は1995年の阪神淡路大震災を経験しましたが、彼は「たくさん揺れて面白かった」と話していました。
 2016年の熊本地震では、九州(熊本県がある地方)にいる外国のかたが「ぜんぜん揺れなかったので、たいした地震ではない」とフェイスブックに投稿していたのですが、熊本県では激甚災害(大災害)となっています。たいしたこと、あります。

 一部の観光客にとっては、他国の災害は一種のイベントなのかもしれませんが、そこに長年暮らしている人達からすると、自分たちの街が壊滅していく情景を目の当たりにしなければならない、大変つらい出来事です。
 また、その災害で家族や友人を亡くしている人達もいますので、「面白かった」「たいしたことない」というような発言は、非常に反感を買います。
 特に四国では、先立たれた家族や友人の供養のために遍路をしているかたもいらっしゃいますので、札所やへんろみち、その他、人が集まる場所では会話に気をつけなければいけません。
 「日本人は外国語が聞き取れないから、レストランなどで会話してもばれないだろう」と、大きな声で話している人もいるのですが、理解できる人間からすると非常に腹立たしいので、ぜひ配慮をお願いします。
2016.05



地震

 世界で発生しているマグニチュード6以上の地震のうち、20.8%が日本で発生しています。体に感じない小さい地震は、日本では毎日300回以上発生しています。
 人は皆「まさか自分が災害に巻き込まれるわけがない」「まさか自分が死ぬわけがない」と思って生きています。もちろんあなたも「まさか自分が日本に行っている時に、大きな地震が発生するわけがない」と思っています。もしかしたら、地震という言葉すら知らないかもしれません。

 あなたは2011年に日本の東北地方で発生した[ マグニチュード9.0の地震 ]を知っていますか?

 [ これよりも大きな地震(南海トラフ巨大地震) ]が四国の近くで発生します。これは日本では常識です。1605年に発生した[ 慶長地震 ]では、震源地は四国から遠い東京都の小笠原諸島でしたが、津波により徳島県の宍喰で1500名の死者が出ました。例え揺れが小さな地震でも、大きな津波が来ることがあるので注意が必要です。
 もし地震や津波が発生したら、あなたは自分の命を自分で守ってください。なぜならば、みんなが被災者になり、日本人も観光客であるあなたを助けることは難しくなるからです。

 [ 日本の震度スケール ]は0〜7まであります。四国では4県とも震度7が想定されています。震度6以上だと、とても歩くことはできないため、逃げることができません。特に寝ている時に地震が発生すると、家具に押しつぶされて死亡する人がとても多くなります。そのため、寝る場所は周りに倒れてくるものがないか確認することが重要です。

 この動画は、最大震度6弱の映像です。この地震の震源地は海であるため、大きな揺れが来るまで少し時間がありますが、地震によってはいきなり最大震度で揺れ出すものもあります。
 
 著作:kaheru2 様

 四国遍路では海辺を歩くことが多いので、津波が危険です。
 津波が発生した場合、システムがダウンしていなければ津波警報のサイレンが響きます。下の動画から音が出ますので、音量に注意してください。
 しかし、大きな地震が発生した場合は津波警報のサイレンを待たないで、すぐに高い場所に逃げてください。夜は停電で真っ暗ですので、枕元にヘッドライトを用意しておくことをお勧めします。また、割れたガラスで足を怪我しないように気をつけてください。
 

 [ YouTube 高知県 愛媛県 香川県 ]
 [ 防災関連へのリンク ]
2016.05



宿の電話予約

 たいていのホテルなら英語が話せるスタッフがいますが、民宿や旅館などでは英語が話せるスタッフは、いない場合が多いです。そして四国遍路で使う宿は、たいていの場合、電話予約をする必要があります。そのため、あなたは宿を予約するために日本語を学ぶ必要があります。
 でもそれって難しいですよね。
 電話に出てくるのは、田舎のおじいちゃんおばあちゃんの場合があり、日本人の私だって、宿の人が何を言っているのか聞き取れない場合があるくらいですから、なおさらです。
 そこで、日本人に電話予約を頼むためのページを用意しました。
 たいていの日本人は携帯電話を持っていますので、電話をかけてくれるはずです。または公衆電話の前で日本人に頼むという方法もあります。

 使い方
・宿を決めます。確実に泊まれる距離の宿を選んでください。
・電話をする時間は、宿が忙しくない時間帯にします。宿によって違うとは思いますが、だいたい昼頃がいいと思います。
 宿では食事の材料を購入したり準備がありますので、予約は当日の昼頃までには済ませてください。
 歩き遍路だと、あまり先のことまで予約が立てられないため、明後日以降の予約をすることはリスクがあります。
・電話予約を頼むページに必要な情報を入力します。そして、おそらくあなたは遍路地図を持っていることでしょうから、宿泊したい宿を一覧で指差しながら、日本人にそのページを見せて電話を頼んでみてください。

・予約の変更やキャンセルは、できるだけ早く宿に伝えてください。キャンセル料を請求されるかもしれませんが、それはご自分が計画をミスして宿に迷惑をかけのですから、ATMで支払うなり、遍路道沿いの宿でしたら前を通った時に支払うなり、対処されてください。

 日本の携帯電話は、60秒の通話でだいたい30〜40円の料金がかかります。公衆電話だと距離によって変わってきますが、宿の予約でしたら20km程度先の宿になると思いますので60秒で20円くらいです。
 電話をかけてくれたらその人に「でんわだいです」と言ってお金を渡してください。公衆電話の場合は、電話をかける前に渡してください。これはチップではありません。
 たいていの場合「いらない」「おせったい」と言って受け取らないとは思いますが、マナーとして渡してください。しかしこれは「絶対にお金を渡してください」という意味ではありません。その「行動」が大切なことなのであり、お金を渡せるか否かが問題なのではありません。電話代をもらってくれるまでやり続けようとすると喧嘩になりますので、ご注意ください。

 [ 宿の電話予約を頼むページ ]
2016.05




 一部の国では、日本は接客マナーのレベルが高い。日本のおもてなしに驚いた。と言われているようですが、日本人のマナーに対する意識が高いということは、それだけみなさんのマナーにも目が行き、いろいろ思っているということです。気がつかれていますか?
 日本に観光に来られて「日本人を見ている」つもりでも、日本人はあなたを見ています。そのことを忘れないでください。

 [ Japanese manners ]


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