お接待をする時の注意

 お接待の情報は基本的に、人には伝えないというのが四国遍路の風習になっています。
 それは、人がどんどん集まってきてしまい、個人でお接待できる許容範囲を超える場合があるためです。
 お茶を一杯提供するなどの行為でしたら、お茶がなくなれば終了。ということも可能ですが、問題となるのは宿泊場所です。

 近所のバス停に若い女性のお遍路さんが野宿をしようとしていたのを見て心配し、「危ないからうちの軒先きとトイレを使ってもいいよ」と場所を提供した場合、そのお遍路さんはブログやツイッターなど、インターネット上にそのことを書きます。そうするとそこには年間、100人以上の人が集まるようになります。

 集まってきた人全てがそこに泊まれるわけではありませんので、周囲の公園や空き地などにテントが立ち始めます。
 そうなると、近所迷惑になります。近所のかたが「ここには泊まらないで欲しい」とお遍路に言っても「あの人は良いと言った」「ここに来れば泊まれるとネットで見たから」もしくは外国人で言葉が通じず、その場所を退去※1しません。といいますか、他に行く場所もなく夜になってしまい、退去できません。
 そしてその人たちがまたインターネットに「なんだかんだ言われますが、泊まれるから大丈夫」と、書き込むわけです。

 そして近所の方々からは、あなたにクレームが来ることになります。
 人を助けたはずなのに、恩が仇となって帰ってきます。

 そのため、お接待をする際には「このことはネット上に公開しないでください」と、きっちり伝えて下さい。

 一度インターネット上に公開された情報※2は消えません。ずっと人が来続けますので、ご注意ください。


 [ お四国ゲストハウス お接待について ]
 [ NHKテキスト 「お接待」はサービスではない – お遍路さんが気をつけたいこと ]


 ※1 私有地に入り込み、退去を命じられている人に水などを提供した場合、居座りを助けたとみなされて同罪(不退去罪)となりますので、ご注意ください。
 ※2 人によっては住所だけではなく、「困ったらこの人が助けてくれますよ」と、個人の電話番号までインターネット上に公開されています。
   人は自分に都合のいい情報しか見ません。「ここには泊まれません」とインターネット上に公開しても、彼らは来続けます。


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